六月三十日

夏越の祓の日だが、特にそれっぽいことはしなかった。

水無月は食べた。

 

・お出かけ

 紫陽花の季節+日曜の鎌倉における人口密度は去年知った。平日に行った方が良いだろう。

 今日は代わりに房総半島大回りを行った。このルートは三、四年ぶりである。今回は始発に乗らないので、銚子に寄らない短縮版とした。

 まずは東京駅10時前発の京葉線に乗った。夢の国を過ぎると人がガラッと減る。新浦安で乗り換えて蘇我方面へ向かっている最中、内房線運転見合わせという不吉な情報が入る。

 続いて蘇我からぬらぬら南下していく。君津に着くまでは順調であったが、依然強風による遅延が云々とのアナウンスが続く。不安に思っても何も出来ない博打感がたまらない。

 運転再開はしていたものの、やはり遅れてはいたので君津で待つ。昼食のコンビニおにぎりに手を付けた所端からぼろぼろと崩れて飛んで行った。なるほど強風。

 電車は15分遅れで来た。乗った後も低速運転が続く。道楽で乗っている者にとっては車窓がゆっくり見られるのでラッキーである。乗り合わせた中学生もホームに繰り出しては風の強さに絶叫して楽しんでいた。僕もちょっと混ざりたかった。

 少し進むと海が見えてくる。前と違い、あいにくの空模様で三浦半島は見えなかった。館山近くでは五輪会場もチラッと見えた。外房もサーフィンで有名と聞くが、内湾の方が丁度いいのだろうか。

 海の他には田んぼが続く。漫画表現などでよく見る「風に波打って縞模様になっている田んぼ」を初めて見た。風も衰えを見せず、物凄い勢いで縞が変化している。毛並みの良い犬のようにも見える。

 最後まで低速運転だったが、何とか25分程度の遅れで館山到着。もともと20分ほどの接続時間を見込んでいたので、意外と丁度良く乗り換えられる。安房鴨川行きの列車も接続を待ってくれていた。そのまま乗り換える。

 おにぎりを食べつつ今度は太平洋側を見る。東京湾と違いはあるのだろうか。

 今回は電気羊を持ってきて読み進めていた。雄大な自然に似合わない選択となった。曇っているので全体的に灰色だったのは類似点だろう。前回の房総大回りでは、人が筑波山に登るSSを読んでいた記憶がある。もう少し読むものを選ぶべきか。

 隣の旅行客はUNOに興じていた。たいへん盛り上がっていて結構なことである。本以外にも非電源の暇つぶしを持ってくるべきかもしれない。

 鵜原理想郷という景勝地を気にしつつも変わらず通り過ぎる。安房鴨川、大網と乗り換えるごとに内陸へ戻ってきた。東金線は何故あれほど離れた位置にあるのか。

 最後は成田線を経由して常磐線から帰る。安孫子唐揚げそばに期待していたが、休みの日だった。無念。腹いせに冷やし缶汁粉を買う。

 

 

・食事

 昼食はおにぎり。豪華三点盛り。

 夕食は冷凍パスタ。

 

・読書

 アンドロイドは電気羊の夢を見るか?(フィリップ・K・ディック)

 言わずと知れたSF界の名作。某氏に勧められたので読んだ。やはりこちらも読みやすい。ある種のサスペンスドラマのように展開が流れ、ガンガン読める。模造生物に関する悲哀を伴った日常は、荒廃した世界でもどこかおかしさがあって読み疲れない。

 SF要素もとても興味深い。「他者への共感」が話の軸としてまとまっている。生物と非生物、スペシャルとそれ以外、共感ボックスなど、様々な要素が繋がってくるのも楽しい所。

 ブレードランナーはどんな作品なんだろうか。だいぶ違うとは聞くが。

 

・その他

明日(今日)は重要な面接である。それでもこんな時間まで起きてしまうのが自制の効かないダメ人間たる所以かもしれない。

 

TODO

 ・最終楽章を読む

 ・使えそうな観測を探す

 ・論文読む

 ・睡眠をとる