2020/10/13

行動

 9時起床。

 二度寝を挟みつつ昼食、午後イチのMTGへ。リモートで同期のセミナー発表を聞く。前の学会と同様、MSTIDとEsの話だったが、先行研究のことを詳しく聞くのはこれが初めてになる。Es研究の歴史は古いが、MSTIDとの関連は割と最近らしい。

 地球近傍の電磁気現象については、経験的に連動してるじゃないか?という切り口が多いように感じる。地上観測の歴史が長い/その場観測が難しいことも一因だろう。観測技術の分、新規研究の余地があって助かる。

 セミナー後はそのまま四限の講義、電磁波観測技術特論。自分の観測領域よりだいぶ低高度の話だが、機器は共通するところもあるので参考になる。磁場測定器のキャリブレーションはスペクトルアナライザを載せる関係もあってかだいぶ面倒臭そうだった。衛星に搭載するやつともなればすぐ劣化しそうだが、どう対策しているのか。

 その後は本を読んだりArenaしつつ風呂、夕食。巨人の敗戦を見届けた。

 ボーっとしている内にヴァの入場特典が切り替わり間近になっている。残っていることを祈る...

 

読書

「魂の駆動体」神林長平、ハヤカワ文庫(電書版)

 随分前にセールで買ったもの。誰かに勧められていた気がする。

 クルマを例にとり、人と道具の関わりが描かれている。利便性のみを目的としない、道具作りそのものの楽しさが伝わってくる。現代編でも未来編でも、試行錯誤の段階における議論が殊更に楽しそうで好き。最後の最後まで完成品が出ないので、出来て動いた時のカタルシスもひとしおである。あれほど感動的なクラッシュもそうないだろう。

 未来編における魂の思想はアジアの宗教的でしっくりくる。現代において主人公が息子からの提案を断った時、タンクに入ることで失われるものを説いていたが、そこと共通するものがある。思考の中のタイムトラベルといい、舞台がガラリと飛んだように見えて現代編で語られた思想と通ずるものがちらほら見られて面白かった。

 現代編では皆理論的な立場に立っていたので、少しズレた位置にある先生の思想が強く印象に残る。民族と種族で立場は違うが、後の翼人の思想に最も近かった人だと思う。それだけに亡くなった時は衝撃を受けた。ただの偏屈ジジイかと思っていたのに思想の籠った絵の描写がドカドカ出てきて、死後評価が改まった。割と主人公や子安の反応があっさりしていたのは老人らしい。

 諸所の技術描写がかなり細かかったので、自動車のことを知っていればもっと楽しめただろう。自動運転への移行は今なお実感として通じやすく、色あせない。1995年時点で実用化への研究はどれほど進んでいたのだろう。