秋の京都旅行2017 3日目・その3

東山を歩きます。

 

蹴上駅に到着後、コインロッカーにリュックサックを押し込んだ。身軽になった体で地上に出る。この辺りは建物も少なく、大きな道路がある以外は保養地か高級住宅街というような景色だった。

 その中でひときわ異彩を放つのが蹴上隧道、通称ねじりまんぼである。上を通る琵琶湖疎水をくぐるために作られた、明治期らしいレンガ造りのトンネルである。バイパス沿いの土を盛った壁です、と言うような風景が続く先にいきなりこれが出てくるものだから驚かされる。内部はレンガが螺旋状に連なっており、薄暗さもあってダンジョンか何かが続いているような見た目である。実際先には不思議なレールと神社が続いている。

 

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 抜けた後は道をひたすら上がる。蹴上インクラインを通り過ぎると人家は少なく、廃屋すら見られる。毎度参拝するたびに、この道で合っているのかと疑問に思う。燈篭や案内板を見かけるたびに少し安心するが、うっかりすると墓地に運ばれるので油断できない。

 こちらは里に近い山道であるからか、紅葉も北山に比べると綺麗に色づいている。東福寺の様な一面紅葉も良いが、緑にポツンと混じった紅葉も風情がある。

 しばらく登ると駐車場や案内板が見えてくる。この辺りまで来ると手入れが行き届いている。道中すれ違わなかったが、参拝の方も複数見られた。

 

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・日向大神宮

 「ひむかいだいじんぐう」と読む。社名から分かる通り、伊勢神宮ゆかりの神社。御祭神も伊勢神宮と同じく、天照大御神である。京都で一番古い宮とされ、京のお伊勢さんとして親しまれてきた。内宮・外宮は伊勢神宮と同様の建築形式となっている。写真は内宮。規模の割に末社が多いのも特徴。記紀で無い神様も鎮座されている。

 市街地に近い割にはアクセスが悪いこともあってか、いつ来ても混んではいない。静かで厳かな雰囲気のある神社であり、京都の際にはよく訪れている。

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こちらは外宮。

 

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ここは紅葉の名所でもあり、大木が見事に色づいた枝を広げている。

参拝の後、少し離れた場所にある伊勢神宮の遥拝所へと向かう。道が所々ぬかるんでいたり、送電塔らしき鉄塔がある辺りに男の子心を刺激される。少し上ると遥拝所が見えてきた。拝んで戻る。

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あの辺に平安神宮。大鳥居は遠くからでもよく目立つ。京都タワーの次に見つけやすいと思う。

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 この神社の特筆すべき点として、天岩戸の存在が挙げられる。内宮の裏になんとあの天岩戸が鎮座ましましている。しかも中をくぐることが出来る。気分は岩戸隠れ。内部には戸隠神社の神様が祀られている。

 実はこの天岩戸の裏手に林道があり、更に進むと京都一周トレイルに繋がっている。今回はこちらから降りていく。未舗装の道ではあるが、ハイキングコースなのである程度は整備されている。とはいえ道しるべの無い道が続くので心細さはある。一度この周辺で遭難しかけた分、恐怖もひとしおである。

 しばらく進むと山火事注意の垂れ幕が見えてくる。ここは五差路になっており、道を間違えると延々ループする羽目になる(なった)ので要注意である。ここでは最も下側、南禅寺奥之院へ向かう道を降りる。

 ここから道が急に狭くなり、傾斜もきつくなる。小さなダムが見えてくる頃には多少道が楽になり、下に川が見えてくる。

 

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 曲がり角になったあたりで因縁の道に差し掛かる。前年にはここを真っすぐ強行突破して道に迷い、遭難しかけた。流石に二度目はやらないが、迷った先にあった池も気になる所である。いつかは地図を持っていきたい。

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 のろのろ降りると南禅寺奥之院が見えてくる。滝の前に小さなお堂が立っている。実際に滝行を行う行者の方もいるらしい。

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 唐突に出てくると妙に印象に残る。

  ここからさらに降りて南禅寺へ向かう。

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南禅寺

臨済宗南禅寺派大本山京都五山でも別格の凄い禅寺。門前町の湯豆腐が有名。

写真は水路閣。琵琶湖疎水から繋がった水はここへ流れ、哲学の道へと注がれていく。

古い寺に唐突に現れる巨大レンガ構造物はよく目立つ。実際建設当時は反対意見も多かったそうだが、今では立派な観光名所である。木々の中にたたずむ古びた煉瓦色が心地良い。

ここのお寺はとにかく広い。そして建物がデカい。紅葉も大きな木が多い。当然人も多い。

南禅寺といえば三門も有名である。これも驚くほど大きい。うっかり写真を撮り忘れていたが、並んで上に登ることはできた。境内や洛中を一望できる。

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石川五右衛門がここからの景色を眺めて放った台詞は有名。歌舞伎の舞台的には春らしいが、秋でも十分通用する言葉だろう。絶景かな、絶景かな。

 その後は隣接する寺へと向かう。秋の京都の大ボス、もみじの永観堂である。

 

 その4へ続く。