秋の京都旅行2017 2日目・その1

以降相変わらずの駄文&糞画質ですがご容赦ください。

 

「嵐山と病院は早いうちに行け」という名言がある。作者は私だ。

 ご存知の通り、嵐山とその周辺地域は京都市内でも屈指の人気を誇る観光地である。最も混む昼下がりともなれば、目抜き通りなど満員電車より酷い人口密度になる。風流で知られる渡月橋も、人が詰まっていては朝の新宿駅コンコースと何ら変わりがない。紅葉シーズンとあってはなおさらだ。故に、嵐山観光は早朝が良い、というのが私の最も支持する説だ。地元の方がまばらに歩く道を抜け、朝もやにかすむ渡月橋を眺め、清々しい空気の中竹林の道を歩く、これ以上の贅沢がどこにあるのだろうか。

 今回もそれを享受するために宿は嵐山近くに取り、朝早くから出られる体制を整えた。5時半ごろに起きてレンタサイクルで出かけ、二時間ほど見回ってから戻って朝食を摂り、再び遊びに行く、完璧な計画である。二日目の成功は約束されたようなものだろう。前日はワクワクしながら就寝した。

 

朝起きて手元の時計を見ると八時だった。

 

仕方がないので着替えて朝食を摂り、バス停まで歩く。

道はGoogle先生頼りなので、歩きやすさを度外視した道となる。前日の雨でぬかるんでおり、三度はコケそうになった。

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道すがらに竹林。京都には竹林が多い気がする。

 

時折貫禄のある古い家を見かけて驚く。池や住宅街を抜け、バス停に到着。嵐山行のバスに乗る。まだ9時だというのになかなかの混みっぷりであった。

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嵐山到着後、すぐに渡月橋が見えてきた。まだ人は少ない。背後には色づいた嵐山を望み、よく晴れた空と相まって気持ちの良い風景だった。撮影技術の無さが悔しい。辺りを少し散策しながら天龍寺へと向かう。

山の方では紅葉もまばらだが、平地では最盛期だった。天龍寺の境内に入ってすぐ、紅葉の波状攻撃を受ける。

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晩秋感がある。

 

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天龍寺の曹源池庭園。借景式庭園として有名。天龍寺は足利氏によって後醍醐天皇を弔うために建てられた寺であり、庭造りの名人・夢窓疎石が開山を進言したとされている。この池も夢窓疎石製庭園の特徴をよく残している、らしい。庭園に疎いので真の価値はわかっていないと思うが、良い眺めだった。

その後、境内を散策する。時期もあって紅葉が地面に散り、絨毯めいた光景となっていた。苔の上だとなおさら映える。

 

ひとしきり眺めて退出。そのまま裏の竹林の道へと向かう。

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嵐山と言えば、な風景。見渡す限り竹林が続く。

既に10時近く、人でごった返していた。この辺りは外人さん比率がそれほど高くない。頭を下げながら抜け、トロッコ嵐山駅に向かう。

乗車券は殆ど売り切れたかな、と思いきや11時代発の席が余っていたので往復分を買う。40分近く空いたので、嵐山方面へと散歩する。

 

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御髪神社。髪結業の始祖とされる御仁が祀られている。髪に纏わる職業の方々は勿論、一部の方々から強い信仰を集める。絵馬の願い事が切実だった。

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そのまま嵐山公園へと向かう。こちらもメインストリートや竹林の道からさほど遠くは無いのだが、人は多くなかった。その割には見事な紅葉が見られる、所謂穴場スポットである。

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展望台より保津川を望む。遠くの山まで秋模様となっていた。時折保津川下りの船が流れていき、トロッコ列車の走行音が聞こえる。風神録みを感じさせる、誠に良い風景だったが、風が強すぎてそれどころではなかった。

 

公園を歩き、百人一首の記念碑などを眺めた後は川へ向かった。

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間近で保津川を眺める。静かな川であり、波音はしない。時折保津川下りの船が、微かに音を立てて横切っていくのみである。川沿いにも多数の紅葉が植わっており、秋らしい風景だった。余りの景勝ぶりからか写真術指南のツアーが行われており、スマホ撮影では少々肩身が狭かった。

しばし下って渡月橋を見ると、もう人でごった返している。木造の橋でよく落ちないものである。メインストリートも混んでいるが、川沿いはまだそれほどでもない。人ごみに揉まれることもなく、ゆっくりと散歩できた。こういう時にセグウェイが欲しくなる。時間が程よく経ったので、トロッコ嵐山駅に向かった。

指定席は満員である。早く買っておいて助かった。ホームでしばし待つと、JRの車両だろうか、青い特急が横切っていった。その後トロッコ列車が到着。券の席に乗り込む。進行方向向かって右、北側の席であった。

車内は人でごった返していた。全席指定席なのに、乗車率が100%を越えている気がする。荷物の置き場を探している内に発車。

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まずは先ほど展望台から眺めた線路を走る。反対側の窓だが、案外よく見えた。宿や料亭などの建物が軒を連ね、景勝地としての風格を感じさせる。しばらく進むと建物もまばらとなり、いよいよ渓谷に突入する。

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途中川と交差する地点で、保津川下りの船と遭遇。手を振られたら手を振り返さねばならない。古事記にもそう書かれている。

以降は北側に渓谷が続く。散り始めてはいるものの、なお鮮やかに残る紅葉と渓流の調和が美しい。車窓の動画を撮りつつ、半ば放心状態で眺めていた。

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トロッコ保津峡駅に停車。たぬき。

保津川下りに赴く人はここで降りるそうだ。今回は帰りもトロッコ列車である。

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JRの線路と交差する場所もあった。

 

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その後も渓谷は続く。川に散った紅葉が流れ、晩秋感あふれる風景となっていた。

終点が近くなると山肌が終わり、遠くに街並みが見えてくる。終点のトロッコ亀岡駅で一旦降り、間髪置かずに再び乗り込む。今度は南側の席である。山肌に生える紅葉を眺めつつ、時折向こうの窓越しで渓流を観る。程よく暗く、見やすい環境であった。

 

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やはり一番人気は橋だろうか。誰もがカメラを構えていた。

再び手を振り義務が生じたので手を振るなどしつつ、川を下っていく。今度は窓側で嵐山の建物を眺めることが出来る。

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展望台から見えた紅葉を、今度は車内から観る。山の紅葉に比べると平地の紅葉はまだまだ残っており、豪華絢爛な色づきぶりだった。川の向こうには何らかの建物が見える。後で調べたら宿であった。ああいう所に泊まってみたい。しかし調べた所、一泊で今晩の宿11日分のお値段がすることを知り項垂れた。

しばらくすると川から離れ、トンネルを通ってトロッコ嵐山駅に到着。お昼時とあり、辺りは人の山である。外人さんを見かけると何となく嬉しくなるのは何故だろう。

池沿いの道を北上し、洛西の寺社へと向かう。歌人も愛した歴史的紅葉地、いかほどのものであろうか。

最初の目的地である常寂光寺に向かうと、山門にこんな看板が。

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二日目その2へ続く。