僕は京都が好きだ。ちょくちょく巡礼している。
しかし、京都の紅葉を見たことは無かった。
そのことがいわゆる京都人にバレてしまったらどうなるか。
伝統的な陰湿さで知られる京都人のことだ。紅葉も知らないにわか野郎を、決して許しはしないだろう。
百のぶぶ漬けを投げられ、千の嫌味をぶつけられ、泣きながら鴨川に飛び込むことになる。それは避けたい。
ならばやるべきことは一つ。
紅葉を見に行きました。
・一日目の概要
洛北で紅葉を見た
行きは夜行バスに乗った。0600着予定の所、13分早まって到着したのは幸運であった。ありがたや。
下車後最初の目的地は七条駅である。この時気温4度、体温を作るためにずんずん歩いて行く。
遠回りのルートになるが、これを見ないと始まらない気がする。
南北自由通路を抜けた後は塩小路通を東に向かい、鴨川を越えた。徐々に日が出てくるのは良い風景であった。思わず清少納言にならざるを得ない。
無事七条に着いた後は京阪で出町柳へ向かい、叡電へ乗り換える。ここで叡電一日券を買い、今日一日使い回すことを決意する。
叡電で紅葉と言えばこの特別車両である。特別車両という割には本数が多く、時間もあって人はほぼいなかった。それでも紅葉シーズン、発車間際にはほぼ満席である。
この時間帯は地元の登山客の方が多い。紅葉情報に聞き耳を立てつつ、朝ご飯を食べる。朝飯の定番、巣鴨タカセのカジノである。ひたすら甘い。
車窓をぼーっと眺めていると、紅葉のトンネルが見えてきた。楽しみにしていたが、いざ過ぎるとあっという間なものである。綺麗ではあった。車窓に紅葉が近く、包まれているような感覚になった。
そうこうしているうちに終点の鞍馬駅である。
紅葉と天狗がお出迎え。折れた鼻が治っていた。
鞍馬寺。様々な宗教の流れを汲んでいる、一風変わった寺である。少し前から神智学の概念を取り込みはじめ、さらに胡散臭くなった。鞍馬天狗はあまりにも有名。
本来ならば入口に集金おばちゃんがいるのだが、時間が早いせいか居なかった。どちらにせよ、一日券特典で無料ではあったが。
ずんずん上っていく。
由岐神社。都の北方の抑えとしてこの地に勧請されたそうだ。奇祭・鞍馬の火祭で有名。
登っているうちに天候が回復し、綺麗な紅葉が見えてきた。
鞍馬寺の本殿金堂。仏様と共に鞍馬天狗のトップ、天魔(と同一の存在?)が祀られている。
普段ならば奥の院から貴船へと抜けるところだが、台風の影響で通行止め。無念。
仕方がないので紅葉を堪能したのちに降りる。帰りも人は少なかったが、地元の方とちょくちょくすれ違った。
電車を待っていると元気一杯の小学生集団が乗り込んできた。京都であっても小学生は小学生である。ちょっと妬ましい。
そうこうしているうちに貴船口駅に到着。時間が早すぎてバスが無いので、ここから貴船神社まで歩く。
道中の紅葉はほとんど散っていた。やはり山は早いのだろうか。
紅葉の散った貴船はどこか寂しげである。夏の風物詩たる川床も、流石にこの時期には無いか...と思っていた。
貴船神社に到着。水の神様を祀っている。
クラブツーリズムの方々の方々と鉢合わせたのは不運だった。
お参りした後、奥宮に向かう。
まさかの川床。風邪引くのでは...?
奥宮到着。かつて玉依姫命が乗ってきたと伝えられる磐船が鎮座ましましている。
ここまで来ると流石に人がいない。広いこともあって、不気味なほどに静かである。
(後から見返すと壊滅的な撮影技術...)
紅葉が無いこともない。落ち葉と共に眺めつつ、バス乗り場へと向かう。
貴船口駅からは宝ヶ池経由で八瀬比叡山口駅に向かった。レッツ大原。
長くなったので、続きは別の記事で。