秋の京都旅行2017 3日目・その4

まだまだ東山を歩きます。

 

南禅寺を出た後は北へ進む。道中で再びチェリオ自販機を発見した。京都旅行の楽しみの一要素と化している。

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見た目から味が想像できない飲料を見かけると、つい買ってしまう。半ばギャンブルめいた気分である。中身はオロナミンC風飲料だった(と思う)。

 

東山高校の脇を抜けるとすぐに永観堂の寺領が見えてくる。

外からも溢れんばかりの紅葉が見られる。否応なしに期待が高まる。

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他の名所と比べて抜き出た点はもう一つあった。圧倒的な人の多さである。沿道からしてもう人が多い。時間帯の差異があるとはいえ、外の混雑ぶりは東福寺すら凌駕する。

境内に参るまでのすべての要素が期待を高めてくる。もみじの永観堂たる所以だろう。

 

そしてその期待は遥か上方向に裏切られることとなる。

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拝観料の取られない、入口からしてこれである。他の場所にあればひとかどの観光地を名乗れるような紅葉が、入口の時点で鎮座ましましている。それも沢山。寺でテンションを上げるのはどうかと思わないでもないが、上がってしまった。

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その日は天気が良くなかったが、気にならないほどに鮮烈な色をしていた。鮮やかさは今回訪ねた名所の中で最も優れているのではないだろうか。

前述したように、ここはまだ有料拝観の外である。拝観券を買って中に入る。

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永観堂禅林寺

正式な寺号は禅林寺。初めは真言宗の寺だったが、永観という僧侶が住職の時に浄土宗の寺となった。「みかえり阿弥陀」として知られる仏像が有名。

中に入ると建物が見えてくる。紅葉は建物の配置や庭園に合わせて整備されており、美しい。

永観堂は主要な建物の多くが繋がっている。北端の建物から入り、内部を拝観させていただく。丁度寺宝展も行われていた。

入口で御朱印帳を預ける。一時間ほどかかるとのことだった。人の多さが異次元に達している。

仏様が描かれた掛け軸や絵を眺めつつ、建物をゆっくりと回る。古い門や枯山水がちょくちょく目に入る。京都の寺社の例に漏れず、江戸に入ってからの再建がほとんどだが、造りは鎌倉のそれである。

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中庭のこじんまりとした紅葉もまた良い。道中至る所に紅葉がある。

釈迦堂を回り、御影堂へ向かうと法話が行われていた。上人を拝んで裏へ回る。御影堂のすぐ裏は崖になっており、そこを這う様に廊下が続いていた。そしてそこにも紅葉がある。

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裏を進むと、笛の練習をしている僧侶を見かけた。法話で使うのだろうか。

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他ではあまり見られない注意書きであった。

斜面に沿う所で廊下が二つに分かれていたが、一方は通行止めとなっていた。もう一方の阿弥陀堂方面へと向かう。

阿弥陀堂にはご本尊のみかえり阿弥陀如来が祀られている。みかえっていた。拝んだ後、外に出る。

ここまで廊下を登ってきたので、下に戻るためには階段を降りる形となる。紅葉の数々が見渡せる良い場所であった。

下に降りると、先ほど見た紅葉の下をくぐることとなった。これもまた美しい光景であった。

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階段下からはいくつか道が分岐していた。南側に向かうと滝と句碑がある。さらに向こうには永観堂幼稚園があった。寺に併設された幼稚園は京都ではよく見る気がするし、珍しいものではないのだろう。紅葉の混雑をよそに、日常生活している様子が垣間見えた。

行き止まりであったため引き返し、多宝塔方面へ向かう。

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晩秋らしく、ここの地面にも広く絨毯が敷かれていた。

途中御影堂の脇を通り、廊下の下をくぐる。進むと先ほど眺めた岩肌の紅葉が見えてくる。

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他の紅葉と異なる独特の色をしており、綺麗である。そのまま進むと先ほどの分岐で進めなかった側の階段に出る。上がると開山堂及び多宝塔がある。

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この寺で一番高い所にあるのがこれらの建物であり、当然眺めは素晴らしい。東福寺とはまた違った趣がある。時刻は3時を回り、西日に染まり始めた境内と市街が得も言われぬ雰囲気を醸し出す。エモい。

 

しばらくした後に降り、再び境内を散策する。

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上から見ても分かる通り、真っ赤な紅葉が大半を占めるが、カラフルな一角もあった。どうやら種類が違うらしい。根元の表示を見ると様々な品種が書かれている。サトウカエデもあった。残念ながら樹液は漏れていなかった。

順路に従って歩くと池が見えてくる。

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紅葉と池が合わないはずがない。背後にそびえる堂塔や東山との調和も美しかった。

池の端を歩いてくと水路が流れており、境内の遊歩道めいた場所へと繋がっている。

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川を流れる紅葉も格別である。もう少し遅い時期なら唐紅に水くくるのだろう。

あらゆる方向にもみじがある。古今和歌集に詠まれる(定かではない)紅葉は伊達ではない。写真で上手く残せなかったのが惜しい。今でこそ鮮明に覚えているが、後で忘れてしまうのが悲しい所である。また機会があれば記憶を更新したい。

じっくり歩き回り、頃合いを見て出口へと向かう。人の波は絶えない。お茶処も大繁盛している。そそくさと人の間を抜け、御朱印帳を受け取って外に出た。

そのまま蹴上駅へと歩き、荷物をロッカーから取り出して電車に乗る。京阪三条駅から京阪に乗り換え、向かった先は出町柳である。

その5へ続く。

秋の京都旅行2017 3日目・その3

東山を歩きます。

 

蹴上駅に到着後、コインロッカーにリュックサックを押し込んだ。身軽になった体で地上に出る。この辺りは建物も少なく、大きな道路がある以外は保養地か高級住宅街というような景色だった。

 その中でひときわ異彩を放つのが蹴上隧道、通称ねじりまんぼである。上を通る琵琶湖疎水をくぐるために作られた、明治期らしいレンガ造りのトンネルである。バイパス沿いの土を盛った壁です、と言うような風景が続く先にいきなりこれが出てくるものだから驚かされる。内部はレンガが螺旋状に連なっており、薄暗さもあってダンジョンか何かが続いているような見た目である。実際先には不思議なレールと神社が続いている。

 

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 抜けた後は道をひたすら上がる。蹴上インクラインを通り過ぎると人家は少なく、廃屋すら見られる。毎度参拝するたびに、この道で合っているのかと疑問に思う。燈篭や案内板を見かけるたびに少し安心するが、うっかりすると墓地に運ばれるので油断できない。

 こちらは里に近い山道であるからか、紅葉も北山に比べると綺麗に色づいている。東福寺の様な一面紅葉も良いが、緑にポツンと混じった紅葉も風情がある。

 しばらく登ると駐車場や案内板が見えてくる。この辺りまで来ると手入れが行き届いている。道中すれ違わなかったが、参拝の方も複数見られた。

 

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・日向大神宮

 「ひむかいだいじんぐう」と読む。社名から分かる通り、伊勢神宮ゆかりの神社。御祭神も伊勢神宮と同じく、天照大御神である。京都で一番古い宮とされ、京のお伊勢さんとして親しまれてきた。内宮・外宮は伊勢神宮と同様の建築形式となっている。写真は内宮。規模の割に末社が多いのも特徴。記紀で無い神様も鎮座されている。

 市街地に近い割にはアクセスが悪いこともあってか、いつ来ても混んではいない。静かで厳かな雰囲気のある神社であり、京都の際にはよく訪れている。

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こちらは外宮。

 

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ここは紅葉の名所でもあり、大木が見事に色づいた枝を広げている。

参拝の後、少し離れた場所にある伊勢神宮の遥拝所へと向かう。道が所々ぬかるんでいたり、送電塔らしき鉄塔がある辺りに男の子心を刺激される。少し上ると遥拝所が見えてきた。拝んで戻る。

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あの辺に平安神宮。大鳥居は遠くからでもよく目立つ。京都タワーの次に見つけやすいと思う。

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 この神社の特筆すべき点として、天岩戸の存在が挙げられる。内宮の裏になんとあの天岩戸が鎮座ましましている。しかも中をくぐることが出来る。気分は岩戸隠れ。内部には戸隠神社の神様が祀られている。

 実はこの天岩戸の裏手に林道があり、更に進むと京都一周トレイルに繋がっている。今回はこちらから降りていく。未舗装の道ではあるが、ハイキングコースなのである程度は整備されている。とはいえ道しるべの無い道が続くので心細さはある。一度この周辺で遭難しかけた分、恐怖もひとしおである。

 しばらく進むと山火事注意の垂れ幕が見えてくる。ここは五差路になっており、道を間違えると延々ループする羽目になる(なった)ので要注意である。ここでは最も下側、南禅寺奥之院へ向かう道を降りる。

 ここから道が急に狭くなり、傾斜もきつくなる。小さなダムが見えてくる頃には多少道が楽になり、下に川が見えてくる。

 

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 曲がり角になったあたりで因縁の道に差し掛かる。前年にはここを真っすぐ強行突破して道に迷い、遭難しかけた。流石に二度目はやらないが、迷った先にあった池も気になる所である。いつかは地図を持っていきたい。

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 のろのろ降りると南禅寺奥之院が見えてくる。滝の前に小さなお堂が立っている。実際に滝行を行う行者の方もいるらしい。

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 唐突に出てくると妙に印象に残る。

  ここからさらに降りて南禅寺へ向かう。

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南禅寺

臨済宗南禅寺派大本山京都五山でも別格の凄い禅寺。門前町の湯豆腐が有名。

写真は水路閣。琵琶湖疎水から繋がった水はここへ流れ、哲学の道へと注がれていく。

古い寺に唐突に現れる巨大レンガ構造物はよく目立つ。実際建設当時は反対意見も多かったそうだが、今では立派な観光名所である。木々の中にたたずむ古びた煉瓦色が心地良い。

ここのお寺はとにかく広い。そして建物がデカい。紅葉も大きな木が多い。当然人も多い。

南禅寺といえば三門も有名である。これも驚くほど大きい。うっかり写真を撮り忘れていたが、並んで上に登ることはできた。境内や洛中を一望できる。

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石川五右衛門がここからの景色を眺めて放った台詞は有名。歌舞伎の舞台的には春らしいが、秋でも十分通用する言葉だろう。絶景かな、絶景かな。

 その後は隣接する寺へと向かう。秋の京都の大ボス、もみじの永観堂である。

 

 その4へ続く。

秋の京都旅行2017 3日目・その2

洛南を歩きます。

 

バスを降りると、辺りはよくある駅前の町のような風景だった。東山のきらびやかな観光地ぶりに比べ、京都駅より南ではいくらか生活感が増すように思える。

とはいえ随所に名所への案内が見られる。東福寺への道を示す板を見つけ、一安心してそちらへと向かう。

 

東福寺臨済宗の寺で、京都五山に数えられる。奈良の興福寺から名前を取ったそうだ。人が来るからと桜を切って紅葉を植えた所、後の世で人が押し寄せるようになった逸話は有名。

 

東福寺の紅葉公開は他の寺社に比べ早く、朝の八時半から行われている。事前に混むと聞いていたので急ぎ、八時には現地に着いていた。しかしその時間ですら甘く、拝観入り口には長蛇の列が出来ている。JR東海を憎みながら並んだ。

開いて10分が経つ頃には中に入れた。入った途端に息を呑む。視界前方下方のどこを見ても鮮やかな紅葉があった。大混雑のさなかであり、黒い頭が蠢いていたが、それを飲み込むかのように紅葉が広がっている。誰かが雲海の如しと例えていたのを思い出した。言い得て妙である。

 

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一通り歩いてから、開けた場所で休憩した。ついでに写真も撮った。

 

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開けた場所の隅の方、塊から離れた場所にも背の低い紅葉があった。密に綺麗に色づいている。

 

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通天橋の地上部分。端から端まで参拝者でぎっしり。

 

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その後、橋を渡って開山堂へ向かった。その名の通り、東福寺開山の聖一国師が祀られている。生前常住されていた(とされる)お堂も隣接している。庭が綺麗。

しばらく座って眺めた後、人の波にもまれつつ橋へと戻る。人と紅葉しかいない視界は極楽よりむしろ地獄めいている。紅葉は相変わらず綺麗である。このような日に快晴であったことは本当にありがたい。

 

しばらくすると、かの有名な通天橋に差し掛かる。端に寄って外を眺めると、これまた壮大な景色が広がっていた。なるほどこれは雲海である。

やはり皆撮りたがるのか、立ち止まっての撮影禁止ポスターがあちらこちらに張られていた。お寺の人も大変だなあと思いつつ橋を過ぎる。

紅葉拝観を抜けた後は本堂に参拝し、本坊へと向かった。こちらでも庭園を拝観させていただいた。何一つ知識が無いので、ただ石が並んでいるようにしか見えないのが申し訳ない。解説パンフレットを眺めながら分かった気になっていた。

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東庭。北斗七星を表しているらしい。上の庭園もそうだが、目に優しい色合いが長い間の拝見を許してくれるので有難い。紅葉の後にはちょうどいい。

 

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北庭。整った市松模様が美しい。

木の縁側に座る経験は中々ないだけに印象に残る。尻の冷たさが記憶に新しい。

 

その後、寺の裏にあった鎮守社へ向かう。五つの著名な神社を纏めて鎮守の神様として祀っているので五社成就宮、というらしい。祀り方が随分大らかである。

再び本堂に戻って再度礼の報告をし、境内を出る。南へ向かって少し歩く。

この辺りにはいかにも観光地然とした風景は無い。寺社を離れると、古びたガラス戸に味のある商品が並ぶような商店が軒を連ねている。しかしやはり京都なので、稲荷大社の正月バイト募集が張り出されたりしている。見かけるたびにテンションが上がる。

 

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この旅行で初のチェリオ自販機。見つけた時は舞い上がった。

 

ガシガシ歩いて辿り着いたのは伏見稲荷大社である。昼の時間は今まで意図的に避けてきたが、いざ来てみると凄い人出である。

京都の観光地の中でも、ここと金閣寺はずば抜けてグローバルであるように感じる。英語と中国語とその他何らかの言語が飛び交っている。訪日旅行客人気No.1は伊達ではない。いろいろな国の人が手を合わせているのは何だか良い風景である。

並んで手を合わせた後、千本鳥居へと向かう。更に人口密度が凄い。

 

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そこから奥社奉拝所、熊鷹社、四ツ辻と上がる。上がるにつれて人が減ってくる。それと共にお塚や小さな社も増えてくる。密度の高い信仰を今日拝めるというのは大変ありがたいことである。この季節だと暑さもなく、するすると上がっていける。もちろん道中拝みながらではあるが。

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四ツ辻に着いたところで景色を眺めながら休憩。ここから一の峰にお参りする時間と体力は無く、さりとて人の波に突っ込んで降りるのも億劫である。そこで御幸奉拝所方面から東福寺に降りることを思い立ち、ずんずん進んでいった。

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こちらは人も鳥居も少ない土の道であり、どことなく心細い。しばらく行くと御幸奉拝所に差し掛かる。ここに来たのは初めてではない。前年の宵宮祭りの祭、同様に千本鳥居を避けて帰ろうとし、こちらの道に迷い込んだ折に訪れていた。闇夜で見るこの三像とどこか分からない場所に続く鳥居は大変恐ろしく思われ、一目散に来た道を逃げ戻った記憶がある。再度この地を拝めたのはありがたいことだが、思わず不思議体験の種明かしを受けることとなり、少々残念だった。

 

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山道とはいえ車が入れるように舗装されており、楽に歩くことが出来た。道中京都一周トレイルの表示を見かけ、範囲の広さに驚いた。このまま進めば東福寺、さらに進めば清水寺であるが、流石にやらなかった。しばらくすると東福寺の閑静な住宅街へと出る。その後はGoogle先生を頼りに駅まで進み、京阪に乗った。途中三条で乗り換え、目指すのは蹴上である。

 

その3へ続く。

 

 

 

秋の京都旅行2017 3日目・その1

3日目は洛東へ。

 

河原町通り某所のネカフェで起床。今度は予定どおり5時に起きられた。

身支度を済ませ、コーラをがぶ飲みしてから出る。まだ日は昇っておらず、外は真っ暗だった。通りには人も車も少なく、店もほとんど開いていない。我が物顔で通りを南下し、東に曲がって鴨川方面を進む。

途中で木屋町通りを横切った。こちらにはちらほら人がいる。流石は夜の街である。路上にゴミ袋と中身の残骸があったり、あまり見たくないものがある辺りも夜の街らしいところだろう。綺麗に細々と流れる高瀬川が何とも対照的であった。

そのまま進むと鴨川に突き当たった。この時間だとまだ等間隔カップルはいない。犬はちょくちょく走ってくる。

少し南下して四条大橋を渡り、四条通を東に進む。こちらの通りも真っ暗である。

ずんずん進んでいると、こんなものを見かけた。

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博識な方ならご存知であろうか。

前日に見かけた菊である。嵯峨菊と勘違いしていたが、懸崖造りと言う盆栽の一種らしい。

色も形もそっくりである。何かの関係があるのかもしれない。

 

更に東進すると、八坂神社の西楼門が見えてきた。

 

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八坂神社

かつては比叡山の別院であり、感神院祇園社と呼ばれていた。神仏分離などあり今に至る。祇園祭で有名。

昼間は混雑するこの神社も、早朝ではほぼ人はいない。地元の方らしき人々がちらほら参拝に来られるのみである。開門・閉門時間の無い神社はこの点が有難い。

 

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徐々に日が昇り、東の空が白んできている。南楼門を出て南進し、二年坂の方へと向かう。

 

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市内でもトップクラスに景観規制が厳しいだけあり、とても風情のある道だった。しばらく進むと八坂の塔が見える。

この日は妙にカラスが多かった。害にならない時は可愛く見える。勝手なことではあるが。

 

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しばらく進むと猫も出てきた。しかも二匹。この通りで猫を見たことはなかったので、にわかにテンションが上がる。どうやら誰かが餌を置いているらしく、近づいても逃げない。かわいい。真上に餌やり禁止の張り紙があったが......

日が昇ってくるにつれ、通りもオレンジ色に染まってきた。

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この景色を見たいがために早起きしている節がある。うまく写真に出来ないのがまことに残念である。もっとも、他の季節だと人外じみた早起きを要求される。冬至が近い季節だけの贅沢と言えるかもしれない。

ウキウキしながら進む。このような早朝、店は一つも開いていないが、修学旅行生も団体観光客も大学生もいない。普段なら自撮り棒が乱立する二年坂でさえ独り占めできる。

 

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二年坂産寧坂と転ばずに登り切った後、清水寺方向へ向かう。寺に近づくにつれて人が増えてくる。昼間だと外人さんも多く見かけるのだが、この時間には少ない気がする。時差ボケだろうか。

このような観光地であっても、町の掲示板らしきものがあった。地域少年ナントカなどの張り紙を見ると、ちゃんと人が暮らしていることを確認出来て少し安心する。寺に関する張り紙がその三倍はある辺り、普通の掲示板ではないが。

そうこうしているうちに清水寺に到着した。

 

音羽山清水寺

知らない人は少ないだろう。なにせ世界遺産である。

征夷大将軍坂上田村麻呂ゆかりの寺であり、改装は平安以前と相当な古寺である。文学作品や絵巻にもガンガン出てくる。

何よりも知られているのは本堂の舞台だろうか。願掛け飛び降り者が続出したことで有名である。もちろん現在は飛び降り禁止。そして改修中である。

 

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清水寺の舞台より、朝日に照らされた京都市内を眺める。背後の東山から差す光が徐々に広がっていく様子は何とも美しい。あまりにも綺麗だったので、しばらく眺めていた。

 

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舞台の反対側からも眺める。ある意味貴重な工事中の舞台である。紅葉はいささか見頃を過ぎているだろうか。この位置からだと光の角度の変化がよく見える。何度も往復しながら、朝の訪れを眺めていた。

この時間だと音羽の滝も空いている。ドリンクバーのごとく周回してがぶ飲みできるが、紳士的な量に留めた。

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しばし堪能した後、境内の地主神社へ向かう。

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地主神社

全国的な地主神社は、大きな寺や神社が出来る前の土地の神様を祀った神社である。ここもそうかもしれない、らしい。

清水寺境内のこの神社では大国主命を祀っている。縁結びの神様として有名。

本来は9時に開門するはずなのだが、この時は7時半に開いていた。何故...?

有難く参拝させていただく。

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やたらテンションの高い大国主様と因幡の白兎。

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本殿。重文である。

こちらの境内からの眺めも素晴らしい、末社にお参りした後、少し歩いてから鳥居をくぐる。鯉の池などを横目に見ながら寺を出た。

この時間になると、坂も活気に満ちてくる。支度中だろうか、開店前の店にもいくつか明かりが灯り、人の動く音が聞こえ、心なしかいい匂いもする。町が目覚める時間はどことなく楽しい。日は大分昇っており、行きとはまた違った景色である。足取り軽やかに清水道のバス停へと向かう。

少々遅れてしまったので朝食は飛ばした。九条車庫行きのバスに飛び乗って東山通を南下する。目指すのは京都でも一二を争う紅葉の名所、東福寺である。

その2へ続く。

秋の京都旅行2017 2日目・その2

洛西を巡ります。

 

 

 

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・常寂光寺

 安土桃山の頃に開山された日蓮宗の寺院。小倉山の中腹に建つ。

小倉山は古くから美しい紅葉で知られており、数多くの歌にその風景が詠まれている。周辺には今もなお紅葉の名所として知られる寺が多い。この寺も例外ではない。

 

 

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 後ろから見た仁王門。

立地の影響もあってか、境内に高低差が多い。入口入ってすぐに長い階段がある。

遮る建物も少なく、紅葉越しに洛西の街並みが見える。

 

 

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更に登ったところには多宝塔がある。

中には仏像があるそうだが、常時非公開。

 

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天高く馬肥ゆる秋と言わんばかりの空模様だった。このような天気の下で歩き回るのは気分が良い。おまけに飛行機雲まで見える。あまりにもめでたい。

浮足立ったまま、本堂や各種史跡を見ながら散策。

突然鳥居が現れて驚く。北極星の化身、妙見菩薩を祀るお堂があった。京都ではよく見る。

今となっては異質だが、神仏分離以前は普通の風景だったそうな。

 

その後下山。小倉山の麓を少し北に進む。

道中、落柿舎の脇を通る。本当に柿があるとは思わなかった。

 

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・小倉山二尊院

現在は天台宗の寺院。釈迦如来阿弥陀如来の二尊が祀られているので二尊院。山号の通り、小倉山の麓に建つ。この辺の寺の例に漏れず、古くから知られる紅葉の名所。藤原定家が拠点にしたとされる時雨亭の跡地もあるとか。

今もなお京都有数の紅葉スポットであり、人でごった返していた。

 

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門を撮るのが下手すぎる 門を撮るのが下手すぎると話題に

勅使門。馬場からここへと続く道は、JR東海の京都テロにも使われるほどの紅葉密度を誇る。圧倒されながら通り過ぎたら撮り忘れた。

 

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本堂に参拝し、しばし境内を散策。

本堂前にはお守りがずらりと並ぶが、売り子のお坊さんはいない。ここまで良心に頼った方式もそうないだろう。確かに仏様の目前でやっちゃう不届き者がいるとは思えないし、不当な手段で手に入れたお守りが守ってくれる気はしない。

 

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ここでも高低差。

 

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小倉餡発祥の地らしい。いつもお世話になっております。

境内には偉人の墓も数多くあった。歌人や豪商が大半を占める。流石は古くからの別荘地である。

 

下山後、さらに北へと向かう。初めはお土産物屋も見られたものの、進むごとに人が減っていく。石畳の道も途絶えると、モダンな家の立ち並ぶ住宅街へと突入した。どの家も広い敷地を持ち、中には古風かつ大きな門を抱えた屋敷もあった。形を変えながらも、別荘地としての伝統は残っているのだろうか。

Google先生の指示に従いながら進むと、石畳の坂が見えてきた。愛宕街道とのことである。国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されているらしく、古い街並みが良く残っていた。

 

そのまま進むと、坂の中ほどに寺の入り口が見える。

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・化野念仏寺

浄土宗の寺。化野は古くから風葬地として知られており、無縁仏や様々な事情を抱えた仏を供養するために建てられた。

 

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無縁仏の行き着く地でもあったため、供養の石仏が立ち並ぶ。観光客も少なく、華やかな洛西の紅葉と比べてどこか物寂しい雰囲気の漂う紅葉である。

 

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境内には竹林があり、奥の墓地へとつながっている。音の少ない境内に竹のざわめきが響いていた。

 

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常寂光寺で見かけた飛行機雲は一日中頭上にあった。ここでもまた見かけることとなる。

 

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何故か境内にたぬきがわんさかいた。この子は特に存在感を放っていた僧侶狸。

紅葉を眺め、石仏に手を合わせてから下山。

 

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元来た道を戻りつつ南下する。時間は15時を回っており、日が傾き始めていた。

途中、道の脇に団子屋があった。団子がうずたかく積まれ、沸き立つ湯気にしっとりとした表面が美味しさを激しく主張している。昼抜きの身にはとても魅力的に思えたが、値段を見て冷静になった。価格まで別荘地の伝統を継いでいる。

お土産物屋にも惹かれたが、鋼の精神力でやり過ごす。

その後二尊院横の分かれ道を西に曲がり、寺へと向かう。 

 

 

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祇王寺

真言宗大覚寺派の寺。悲恋の姫君がその後の生涯を過ごしたとされている。元は他の大寺院の中にある塔頭寺院であったが、大元の寺が荒廃してこちらが残った。その尼寺も明治の頃に廃寺となるが、大覚寺の支えで敷地や仏像を残し、復興して現在に至る。建物は再建時に当時の府知事から寄付されたものである。

 

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この寺は散紅葉と苔が有名。良い時期に来られた。

 

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建物にはこの地域特産の嵯峨菊が展示されていた。どのような育て方をしたらこの形を作れるのだろうか。

建物内で参拝した後近くのバス停に赴き、電電宮を目指す。

しかし、ここで大きな勘違いがあった。電電宮は嵐山の法輪寺境内にあるのだが、何故か遥か南の松尾大社にあると認識していたのである。気づいた時には松尾大社バス停であった。そのまま帰るのも申し訳ないので参拝する。

松尾大社

渡来人・秦氏氏神様。酒の神様として有名で、境内には奉納された酒樽がずらりと並ぶ。

日も既に暮れ、境内にもわずかな灯りを残すのみであったが、それでも分かる規模の大きさだった。日のある時にまた来たい。

 

来たバス路線を戻り、北上する。途中のバス停で降りて電電宮へ。松尾大社以上に明かりが少なく、真っ暗闇である。スマホとモバイルバッテリーの明かりで何とかした。

 

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電電宮法輪寺

法輪寺の境内にある神社。元々雷の神様が祀られていた。地域の方々からの信仰が厚かったが、禁門の変による荒廃の後そのままにされていた。その後電波利用の時代になって、電気電波の祖神として新たに祀られ、現在に至る。

 名だたる大企業やよく見る部品のメーカーが奉納者名にずらりと並ぶ。技術の発展と共に信仰が増す珍しい例と言えるだろうか。

その後本堂にも参拝。虚空蔵菩薩尊が御本尊である。智慧を守護する仏様であり、電電宮と合わせてご利益を賜りたい神仏であった。

社務所ではSDカード御守りを頂けるらしい。気になる。

 高台にあるので街並みが綺麗に見える。とはいえ近くが住宅街なので明かりは少ないが。しばし眺めた後に降り、北上して嵐山へと向かう。

 

日没後になると、目抜き通りでも昼の喧騒が嘘のように静かである。ほとんどの店が閉まっているのも一因か。近く嵐山花灯路が行われるようで、道端には既に燈篭が配置されていた。その期間になれば、夜でも昼のように賑わうのだろう。

道中、夜間拝観の広告が至る所に貼られていた。しかも今年から夜間拝観を始めたという。運命的な出会いを果たした以上、観るしかない。

 

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・宝厳院

天龍寺の塔頭寺院。庭園に定評がある。

庭園の至る所にもみじがあり、そのどれもが見頃であった。ライトアップも絶妙で、花火のように浮かび上がっていた。寺にしては華やかな風景である。全体は小さな庭ながらも、巧みに配置された岩や川が見るものを飽きさせない。

本堂に参拝できなかったのは少々残念。庭園鑑賞と割り切れば最の高だった。人気もあるようで、通りの静けさに反して入場待ちが生じるほどの大混雑である。

混雑はしているものの、時間制限はない。ベンチで休みつつ、ゆっくりと見て回ることが出来た。

 

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外に出ると人力車の大行列があった。バブル期のタクシー乗り場めいている。貧乏学生には縁が無い。

乗り込むアベックを尻目に見ながらバス停まで歩き、乗って四条烏丸へ向かう。

既に21時を回っており、空いている飯屋もごくわずかである。居酒屋に入る勇気がないので、夕食は松屋の牛丼にした。昼抜きの体にはよく染みる。

 更に少し歩き、錦湯へ向かった。番頭さんへ代金を渡し、柳行李に荷物を放り込んでそそくさと着替える。

 普通のお湯に加えて薬湯・電気風呂・ジェット風呂・水風呂と、いかにも銭湯なラインナップであった。全面タイル張りのしっかりとした造りである。お湯は熱めだが、薬風呂や泡風呂は多少ぬるくなっており、回りながら楽しむことが出来る。時間もあってか地元の方も少なく、ゆったりと浸かることが出来た。タイルを眺めながら湯気と一体化するのは気持ちがいい。

 40分ほどで上がり、着替えて少し休憩する。高い天井には木組みがあり、下を見ると筵が敷かれている。随所から漂う京都の銭湯感が素晴らしい。雑誌をパラパラ読んだ後、存分に暖まった体を引っ張って錦市場へと向かった。

 

 昼間は修学旅行生や観光客でにぎわう市場も、店の閉まった後ではシャッター通りの様な静けさである。京都特有の直線の道を軽やかに歩いて行ける。風呂上りには夜風が気持ちいい。まっすぐ進むと錦天満宮に突き当たった。少しお参りしてから寺町通りを北上し、河原町通り方向へと曲がる。

 目的のネカフェは河原町通りのすぐ横だった。フルフラット席が空いていたのは有難い。席についてからしばらく調べ物をした。今度こそは5時に起きると決意し、就寝。

秋の京都旅行2017 2日目・その1

以降相変わらずの駄文&糞画質ですがご容赦ください。

 

「嵐山と病院は早いうちに行け」という名言がある。作者は私だ。

 ご存知の通り、嵐山とその周辺地域は京都市内でも屈指の人気を誇る観光地である。最も混む昼下がりともなれば、目抜き通りなど満員電車より酷い人口密度になる。風流で知られる渡月橋も、人が詰まっていては朝の新宿駅コンコースと何ら変わりがない。紅葉シーズンとあってはなおさらだ。故に、嵐山観光は早朝が良い、というのが私の最も支持する説だ。地元の方がまばらに歩く道を抜け、朝もやにかすむ渡月橋を眺め、清々しい空気の中竹林の道を歩く、これ以上の贅沢がどこにあるのだろうか。

 今回もそれを享受するために宿は嵐山近くに取り、朝早くから出られる体制を整えた。5時半ごろに起きてレンタサイクルで出かけ、二時間ほど見回ってから戻って朝食を摂り、再び遊びに行く、完璧な計画である。二日目の成功は約束されたようなものだろう。前日はワクワクしながら就寝した。

 

朝起きて手元の時計を見ると八時だった。

 

仕方がないので着替えて朝食を摂り、バス停まで歩く。

道はGoogle先生頼りなので、歩きやすさを度外視した道となる。前日の雨でぬかるんでおり、三度はコケそうになった。

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道すがらに竹林。京都には竹林が多い気がする。

 

時折貫禄のある古い家を見かけて驚く。池や住宅街を抜け、バス停に到着。嵐山行のバスに乗る。まだ9時だというのになかなかの混みっぷりであった。

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嵐山到着後、すぐに渡月橋が見えてきた。まだ人は少ない。背後には色づいた嵐山を望み、よく晴れた空と相まって気持ちの良い風景だった。撮影技術の無さが悔しい。辺りを少し散策しながら天龍寺へと向かう。

山の方では紅葉もまばらだが、平地では最盛期だった。天龍寺の境内に入ってすぐ、紅葉の波状攻撃を受ける。

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晩秋感がある。

 

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天龍寺の曹源池庭園。借景式庭園として有名。天龍寺は足利氏によって後醍醐天皇を弔うために建てられた寺であり、庭造りの名人・夢窓疎石が開山を進言したとされている。この池も夢窓疎石製庭園の特徴をよく残している、らしい。庭園に疎いので真の価値はわかっていないと思うが、良い眺めだった。

その後、境内を散策する。時期もあって紅葉が地面に散り、絨毯めいた光景となっていた。苔の上だとなおさら映える。

 

ひとしきり眺めて退出。そのまま裏の竹林の道へと向かう。

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嵐山と言えば、な風景。見渡す限り竹林が続く。

既に10時近く、人でごった返していた。この辺りは外人さん比率がそれほど高くない。頭を下げながら抜け、トロッコ嵐山駅に向かう。

乗車券は殆ど売り切れたかな、と思いきや11時代発の席が余っていたので往復分を買う。40分近く空いたので、嵐山方面へと散歩する。

 

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御髪神社。髪結業の始祖とされる御仁が祀られている。髪に纏わる職業の方々は勿論、一部の方々から強い信仰を集める。絵馬の願い事が切実だった。

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そのまま嵐山公園へと向かう。こちらもメインストリートや竹林の道からさほど遠くは無いのだが、人は多くなかった。その割には見事な紅葉が見られる、所謂穴場スポットである。

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展望台より保津川を望む。遠くの山まで秋模様となっていた。時折保津川下りの船が流れていき、トロッコ列車の走行音が聞こえる。風神録みを感じさせる、誠に良い風景だったが、風が強すぎてそれどころではなかった。

 

公園を歩き、百人一首の記念碑などを眺めた後は川へ向かった。

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間近で保津川を眺める。静かな川であり、波音はしない。時折保津川下りの船が、微かに音を立てて横切っていくのみである。川沿いにも多数の紅葉が植わっており、秋らしい風景だった。余りの景勝ぶりからか写真術指南のツアーが行われており、スマホ撮影では少々肩身が狭かった。

しばし下って渡月橋を見ると、もう人でごった返している。木造の橋でよく落ちないものである。メインストリートも混んでいるが、川沿いはまだそれほどでもない。人ごみに揉まれることもなく、ゆっくりと散歩できた。こういう時にセグウェイが欲しくなる。時間が程よく経ったので、トロッコ嵐山駅に向かった。

指定席は満員である。早く買っておいて助かった。ホームでしばし待つと、JRの車両だろうか、青い特急が横切っていった。その後トロッコ列車が到着。券の席に乗り込む。進行方向向かって右、北側の席であった。

車内は人でごった返していた。全席指定席なのに、乗車率が100%を越えている気がする。荷物の置き場を探している内に発車。

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まずは先ほど展望台から眺めた線路を走る。反対側の窓だが、案外よく見えた。宿や料亭などの建物が軒を連ね、景勝地としての風格を感じさせる。しばらく進むと建物もまばらとなり、いよいよ渓谷に突入する。

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途中川と交差する地点で、保津川下りの船と遭遇。手を振られたら手を振り返さねばならない。古事記にもそう書かれている。

以降は北側に渓谷が続く。散り始めてはいるものの、なお鮮やかに残る紅葉と渓流の調和が美しい。車窓の動画を撮りつつ、半ば放心状態で眺めていた。

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トロッコ保津峡駅に停車。たぬき。

保津川下りに赴く人はここで降りるそうだ。今回は帰りもトロッコ列車である。

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JRの線路と交差する場所もあった。

 

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その後も渓谷は続く。川に散った紅葉が流れ、晩秋感あふれる風景となっていた。

終点が近くなると山肌が終わり、遠くに街並みが見えてくる。終点のトロッコ亀岡駅で一旦降り、間髪置かずに再び乗り込む。今度は南側の席である。山肌に生える紅葉を眺めつつ、時折向こうの窓越しで渓流を観る。程よく暗く、見やすい環境であった。

 

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やはり一番人気は橋だろうか。誰もがカメラを構えていた。

再び手を振り義務が生じたので手を振るなどしつつ、川を下っていく。今度は窓側で嵐山の建物を眺めることが出来る。

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展望台から見えた紅葉を、今度は車内から観る。山の紅葉に比べると平地の紅葉はまだまだ残っており、豪華絢爛な色づきぶりだった。川の向こうには何らかの建物が見える。後で調べたら宿であった。ああいう所に泊まってみたい。しかし調べた所、一泊で今晩の宿11日分のお値段がすることを知り項垂れた。

しばらくすると川から離れ、トンネルを通ってトロッコ嵐山駅に到着。お昼時とあり、辺りは人の山である。外人さんを見かけると何となく嬉しくなるのは何故だろう。

池沿いの道を北上し、洛西の寺社へと向かう。歌人も愛した歴史的紅葉地、いかほどのものであろうか。

最初の目的地である常寂光寺に向かうと、山門にこんな看板が。

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二日目その2へ続く。